会社員としてリタイアまであと3年というカウントダウンが始まりました。
人生100年時代、40年余の会社員生活を経ても長い第二の人生があります。都会と田舎の2拠点で「百姓(=100の仕事を持つ人)」として自然の中で生きたい、健康で社会とつながって会社員では果しえなかった農ある暮らしを営むといった自己実現をしていきたいと思っています。
この記事でわかること: 理想を実現するために、具体的にどんな「武器(スキル・資金・農)」を準備しているのかのロードマップ。
自然の循環に身を置く「不耕起栽培」への挑戦
私が2拠点生活を志した最大の理由は、南伊豆の美しい里山と、そこでの『農』との出会いでした。2024年からお手伝いさせていただいている、無農薬・無肥料、そして冬も田んぼに水を張る『冬期湛水(とうきたんすい)』を実践されている農家さんの現場。そこには、私が都会で忘れていた、圧倒的な『生き物の多様性』がありました。

田植えや稲刈りで泥に触れるたび、カエルや虫、微生物たちが織りなす命の循環に、心が洗われる思いがしました。パタゴニア等が提唱するリジェネラティブ(環境再生)な視点が、この南伊豆の田んぼには息づいています。

私は、この現場で学んだ『生き物と共にある農』の思想を、さらに一歩進め、いずれは書籍『耕さない農業』等や『和み農』で学んだ『お米の不耕起栽培』へと昇華させたいと願っています。不耕起栽培は、土を掘り返さないことで守られる「目に見えない豊かさ」があります。土を動かさなければ、そこにはミミズが這い、微生物が多様なネットワークを築き、カエルや虫たちが戻ってきます。田んぼが、単なる食料生産の場ではなく、命が循環する「小さな宇宙」へと変わっていきます。
しかし、一方で私はFP(ファイナンシャル・プランナー)として、自分の人生を冷静にシミュレーションしました。その結果、一つの大きな決断を下しました。
「農で稼ぐこと」を、あえて手放す。
農業を収益の柱に据えれば、天候に一喜一憂し、効率を求め、いずれは「自然の循環」よりも「数字の管理」に追われる日々が来るでしょう。効率や収益に縛られ、重要と思う『土と生き物の循環』が遠のいてしまう。それは私が求めた「豊かなシニアライフ」ではありません。
だからこそ、生活の糧は消防設備点検や在宅ワークといった『技』で稼ぎ、農は自分の心と、南伊豆の生態系を豊かにするために捧げると決めました。「農で食べなくていい」と決めた瞬間、農作業は義務から、至福の贅沢へと変わりました。この「稼がない農」こそが、私の2拠点生活を支える揺るぎない背骨(アイデンティティ)なのです。
65歳からの人生を、土とともに、しかし現実の足場もしっかりと固めて歩んでいく。この「半農半X」ならぬ「自給農+プロ技術」という生き方が、これからのシニア世代の一つの選択肢になればと願っています。
地方で食いっぱぐれないための「多業」戦略
現在総務部門に在籍し、不動産管理(=ビル管理・設備管理)・衛生管理者(=健康経営)・防火防災管理者(=消防設備関係)や財形窓口等の福利厚生(=FP2級資格取得済)にと多様な業務に長年携わっています。このノウハウを活かして百姓として考えている仕事に結びつけています。
例えば、設備管理や防火防災の管理業務(ホワイトカラー)経験から現場仕事(消防設備点検等のブルーカラー)へ転換を図り、人出不足に貢献します。また、健康経営を推進している経験等を活かし、頭を使う「在宅ワーク(健康経営推進アドバイザー等)」も身に付けて、身体を動かす「農」「現場仕事」とのハイブリッドで、リタイア後の仕事を、フリーランスとして都市部(現生活圏)で週のうち2・3日と、南伊豆で週4日程度を農作業と在宅ワークの実現を目指していきます。
私は現在60代。定年の65歳まであと数年です。定年を迎える時、私に残るのは組織の肩書きではなく、この『手』に馴染んだ技術と資格でありたいと思っています。
進捗: 危険物乙4(2度目の正直で合格!)、現在挑戦中の消防設備点検・第2種電気工事士について。
今後の記事予告: 「シニアの資格取得奮闘記~60からの手習い~」等。
FP2級の視点で描く、持続可能な2拠点生活の資金計画
「夢」を「現実」に変えるためのライフプランニングも重要です。
2拠点の生活費(田舎=単身、都会=家族)、新NISA戦略(退職金の運用・配当金収入・投資信託取崩し)、年金受給の時期、「農」への初期投資、そして「百姓」としての実入り(複業)を計画して実行していきます。 資金面に裏打ちされた不耕起栽培とマルチワーカーで描く持続可能な百姓ライフを描きます。今後、2拠点生活のリアルな収支シミュレーションなどを記事にしていきます。
まとめ
「人生100年時代」と言われる今、60代を迎えた私たちは、いわば人生の「長い午後の入り口」に立っています。会社員としての定年が65歳に延びたことで、準備期間という猶予を得たと捉えるか、ただ漫然と過ごすか。私は、南伊豆の土に触れ、新しい資格のテキストをめくる中で、後者を選ばない決心をしました。
農で地球の循環に感謝し、技で地域と繋がり、お金で自分たちの生活を賢く守る。
3年後の完全リタイアは、ゴールではなく、新しい「お百姓さん」としての人生の幕開けです。このブログが、私と同じように『これからの生き方』を模索している皆さまにとって、何かのヒントや、一歩踏み出す勇気になればこれほど嬉しいことはありません。



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