前回記事で農業生態系のデジタル化のトピックスを取り上げました。続いて農業生態系の特徴について日本農業検定テキストの『日本の農と食を学ぶ』より学びたいと思います。真摯に農業を学ぶsmallfarmerです。
生態系とは何か?
その前に生態系とは、『日本の農と食を学ぶ』には「大気」「太陽光」「水」「土壌」の4つ自然環境とそれらに支えられて生きる「すべての生物」が関連しあっている状態を生態系というとありまして、図(大阪府㏋より)のように物質が生態系のなかで生産者(植物)、消費者(動物)、分解者(微生物)を巡り巡っている状態を物質循環といいます。また食うものと食われるものの関係を食物連鎖といい、この連鎖がとぎれることなく続くことで、生態系が保たれているとあります。
地球上で何十億年もの間、営々と時に変化しながら、この自然の生態系の絶妙なバランスが保たれてきたわけですが、なぜこれだけ多くの種類の生物が必要なのか、複雑な食物連鎖にしても誰がデザインしたのでしょうか。生物多様性、生態系バランスの不思議です。本当に妙としか言いようがありません。
植物は生態系の土台となっていて、その生命活動は、土壌中の微生物や小動物によって支えられています。普段この肉眼では触れることのできない微生物の世界を理解することは、農業の理解を深めるのに役立つことでしょう。
農業生態系の特徴
農業が行われることによってことによって維持される生態系を農業生態系というと『日本の農と食に学ぶ』にあります。田畑は作物が育ちやすいように人間が作り出した環境であり、作物を守るために雑草や害虫などは人間の手で排除します。また、作物が作った有機物は、収穫物という形で生態系の外に持ち出されてしまうことになります。
このため農業生態系においては、生態系を構成する生物種が少なく、物質循環は単純でとだえがちに、また物質循環がとぎれてしまうことにもなります。農業生態系のバランスを保つには、農業というものが自然生態系のバランスを作物の有利なように変えているために生じる歪みを人間の手でただす必要があるといいます。除草剤や殺虫剤の使用、堆肥投入による土壌改良や熱・薬品による土壌消毒などを行うということです。
環境保全型農業への取り組み
充分な食料を安定的に供給していくためには、農業を行い農業生態系を適切に管理・維持していく必要がありますが、人間の手でただすことが周囲の環境に対する過剰な負荷になることを防がなくてはならないと『日本の農と食に学ぶ』にあります。
そこで近年注目されているのが「環境保全型農業」で農業の持つ物質循環機能を活かし、生産性との調和などに留意しつつ、土づくり等を通じて化学肥料、農薬の使用等による環境負荷の軽減に配慮した持続的な農業(農林水産省)のことなのです。
「環境保全型農業」により将来性を感じています。また微生物の働きを利用した「発酵」についても大変興味を覚えています。
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